最近、趣味として登山を楽しんでいる人が増えています。
世界的に蔓延したウィルスの影響から、一時期は登山する人数は激減しましたが、最近は再び楽しむ人が増加傾向にあるんですね。
ただ、登山初心者の方は様々な山のルールを守らなければなりません。
中でも山開きをする前に登山をするのは許されるのか、という点は気になることでしょう。
今回は山開き前に登山はできるのか?を中心に色々と詳しく解説していきます。
山開きをする前の山には登れるの?
山開き前の登山は、結論から言えばOKです。
山開きするに登山をしてはいけないという規則はありません。別に法律で縛られているわけではないのです。
山が噴火したり、熊出没などで人間が立ち入るのは危険だと判断される、『入山禁止』とは違います。
簡単に言うと、山開きというのは山を管理している人たちが安全確認を行った上で出されるOKサインみたいなものです。
山を管理する人たちというのは、その山がある地元の区役所に設置されている観光協会などが請け負っていることが多いです。
要は「安心して登れます」ということを、一般的には「山開き」として発表しているんですね。
山開きは、多くが春先から夏前くらいまでには行われています。
そのため、一応は山開き前であっても登山をすることはできるのです。
山開き前の登山はあまり勧められない
ただ、山開き前の登山は危険が伴うと言われています。
基本的に日本の山は、何処に行っても寒い季節になると雪に覆われます。
しかも、標高が高い場所と言うのは雪が解けるのも遅いもの。
山開きをする前は、山にまだこの雪が残っている可能性が多分にあります。
場所によっては雪崩が起きる可能性もありますよね。
山は夏であっても天気が変わりやすいですが、冬の天候の変化は突風や猛吹雪が襲ってくることもあります。
さらに山開き前だと山小屋も閉ざされていますし、登山道にある橋などが崩れていたり、目印の看板が雪に埋もれて見えないということも普通にありますからね。
また完全に通行禁止とされている山も中にはあり、その場合は山開きがされるまで登ってはいけません。
実際に相当な熟練者であっても、山開き前に登山をする人は少ないのが現状です。
相手は自然ですので、人間の都合などは関係ありません。
そういったことから、山開きをする前に登山をするのはあまりお勧めできないのです。
山開きの起源
山開き前に登山することは問題ないのですが、危険を伴うことがあるということがご理解いただけたかと思います。
そもそも、山開きはいつ、どこで、どのようにして始まったのでしょうか。
現在では海外から流入してきたアウトドアの影響もあり、山に登るということをレジャーとして捉えている人が多いですが、元々日本では、山は信仰の対象でした。
山岳信仰という言葉を聞いたことがあると思いますが、まさに日本は山を聖なる領域として慕ってきたという歴史があります。
山頂に神様を祀る祠などが立っているのは、それが理由です。
今でも富士山などは霊峰とも呼ばれていて、そういった雰囲気がありますよね。
昔は日本各地にある山々は修験者(山伏)が登って修行をするということが普通でした。
山は神聖な場所なので、一般人は軽々しく登ることはできなかったと言います。
その伝統は現在も続いていて、今でも修験者が険しい山に登っている聖地は存在します。
それが時代と共に一般人でも期間限定で山に登ることが許されるようになり、その解放される日が山開きと呼ばれるようになったそうです。
登山は準備が大切
山開き前でも後でも、登山をするには入念な準備が必要です。
特に富士山が世界遺産に登録されたことで、大した準備もせずに軽い気持ちで登山に臨む人が問題になることがあります。
登山をするには専用のウェアを着て、登山靴を履くことは絶対に必要です。
それが山開き前の登山であれば尚更です。
夏など暑い時期だからと、軽装で登って命の危険にさらされる人もいるくらいですので、決して侮ってはいけません。
他にもレインウェアや替えのソックス、飲料水やタオル、ライトなども持ちましょう。
他にも色々ありますが、GPS代わりのスマホは充電をしっかりして、念のため紙の地図も必ず持っておくことをおすすめします。
山開き前の登山をする人は特にしっかりとルートを確認し、登山計画書を提出して近しい人にも登山することを伝えておきましょう。
まとめ
山開き前の登山は、基本的にはしても問題ありません。
ただ、山開きが行われていないということは何かしらの理由があるということを知っておくべきです。
十分な登山経験がある人が登るのであればまだ良いですが、初心者の方にはあまりおすすめできません。
山開きをした後の登山でしっかり経験を積んでからチャレンジという形で登るといいでしょう。
その際は入念に準備をすることを忘れないでくださいね。