本格的に夏がやってくる7月。
じめじめとした梅雨が明けた頃にある祝日といえば、「海の日」です!
早めに予定を立て、余暇を思い切り楽しみたいですよね。
ところで、海の日はいつでしょう?もしかしたら「7月20日」と思った方がいるかもしれません。
海の日は長年7月20日とされてきましたが、現在は毎年日付が変わることから混乱を招きやすい祝日となっています。
今回は海の日が変わった理由を由来とともに解説します。
また、海の日にちなんだお出かけスポットも合わせてご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
2024年の海の日はいつ?海の日が変わった理由や経緯を解説
海の日が変わった理由を説明する前に、気になるのは今年(2024年)の海の日だと思います。
日付があやふやでは予定が立てられないですからね。
【2024年の海の日は7月15日】毎年変わる日付にご注意を
今年(2024年)の海の日は7月15日(月)です。
内閣府の「国民の祝日に関する法律」によると、海の日は「7月の第3月曜日」と定められています。
海の日は「みどりの日(5月4日)」のように日付が固定されていないため、昨年(2023年)は7月17日、来年(2025年)は7月21日と、今年とその前後3年間を見ても大きくばらつきがあり、毎年注意が必要です。
2023年より今後5年間の海の日(現行法による)
2023年(令和5年) | 7月17日(月) |
2024年(令和6年) | 7月15日(月) |
2025年(令和7年) | 7月21日(月) |
2026年(令和8年) | 7月20日(月) |
2027年(令和9年) | 7月19日(月) |
2003年の法改正や東京オリンピックの特別措置で、海の日が変則的に
海の日が初めて祝日に制定されたのは1995年。翌1996年に施行されました。
当初は週や曜日に関わらず、7月20日が海の日と定められていました。
それが2003年に始まった「ハッピーマンデー制度」によって、大きく変化します。
「ハッピーマンデー制度」とは、月曜日を国民の祝日に設定することで土・日・祝を3連休とし、国民にゆとりある余暇を過ごしてもらおうという制度です。
この影響を受け、海の日は「7月の第3月曜日」に位置付けられ、毎年日付が変わることになりました。
それから20年近く経った2020年には、東京オリンピック開催に合わせて、さらに変則的になります。
この年に限り、海の日を開会式前日の7月23日(7月第4木曜日)に変更し、前後合わせて4連休とする特別措置が取られました。
しかし、世界的なコロナ流行でオリンピックが翌年に延期されてしまいます。
そのあおりを受けて翌年も異例の特別措置が行われ、2021年の海の日は7月22日(7月第4木曜日)に変更されました。
こうした経緯でここ数年の海の日は複雑な日程となりました。
急な変更でカレンダーの修正印刷が間に合わず、実際の祝日との間にずれがおきたことも混乱の一因となりましたが、2023年からは従来通り「7月の第3月曜日」に戻っています。
海の日の名前も変わった!近代日本の始まり明治まで遡る海の日の由来
海の日が変わった理由を説明してきました。
ところで、なぜ海の日が祝日となったのでしょうか?
実は最初に祝日に制定された7月20日は、海の日ではありませんでした。
その日は海の記念日と呼ばれ、「海洋国日本を誇る日」として長い間親しまれてきました。その由来は明治時代に遡ります。
ここでは海の日と、その前身の海の記念日について深掘りしていきます。
海の日のシンボル「明治丸」は、新時代の国作りを影で支えた日本遺産
1876年7月20日。新しい国作りに取り組む明治天皇は、当時最先端の巡視船「明治丸」に乗って東北を巡航し、強風の中無事に横浜港にたどり着きました。
昔は船の事故が多く、危険が伴うものでしたが、これをきっかけに「船は恐れるものではなく、海洋国日本に誇りをもとう」という考えを人々に広めるために「海の記念日」が決められました。
明治丸はその後も歴史の重要な場面で要人を乗せ、各地を航行して政府の新しい国作りを支えました。
その功績で重要文化財となり、現在は東京海洋大学のキャンパス内で展示公開されています。
内閣府によると現在の海の日は「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日とされていますが、「海の日」に名前が変わった今もその想いは受け継がれていますね。
海の日はどこへ行こう?海の日ならではのスポットへ出かけよう
海の日が変わった理由と、海の日の歴史的背景がご理解頂けたかと思います。
みなさんは海の日をどのように過ごしますか?
梅雨明け頃の三連休にあたる海の日は、出かける絶好のタイミングです。
ここでは海の日ならではのお出かけスポットをご紹介します。
先に挙げた「明治丸」の見学はもちろん、他にも日本と海のつながりを感じられるおすすめスポットがありますよ。
早速みていきましょう!
見るチャンスは年に数回!艦船を彩る満艦飾はまさに大パノラマ!
海の日のイベントと言えば、海上自衛隊の艦船を彩る「満艦飾(まんかんしょく)」です。
満艦飾は、軍艦の船首からマストの最上部を通って船尾まで旗を連ねて飾るもので、特別な日にのみ行います。海の日は満艦飾が見られる数少ない日の一つです。
一見すると万国旗に見える旗は、信号旗。
大きな艦船の端から端へ並んだ原色の旗は青空によく映え、風でひるがえる姿は壮観です。
満艦飾はその時停泊中の港で行われるので、ご自宅近くで行われるとは限りませんが、海上自衛隊の母港である大湊(青森)・横須賀(神奈川)・舞鶴(京都)・呉(広島)・佐世保(長崎)では、高い確率で見ることができます。ぜひ足を運んでみてください。
気分はまるで航海士!重要文化財の帆船「日本丸」の船内をぐるっと探検!
海の日に縁のある横浜に来たなら、「日本丸」は見逃せません。
横浜のみなとみらい地区を背景に堂々たる姿を見せる「日本丸」は、国指定重要文化財でもある帆船。
1930年の竣工から54年もの間、船員養成の練習船として実際に運行していた本物の帆船です。
この「日本丸」は、なんと船内を自由に見学することができます。
ロープが所狭しと並ぶ甲板を進んだ先には、船のハンドル「舵輪」。使い込まれた風合いに心が躍ります。普段は見る機会のない船長室の一部も見学可能です。
さらに、「日本丸」のすぐ横にある「横浜みなと博物館」では大型ビジョンで日本丸や横浜港の歴史も学ぶことができ、あっという間に時が過ぎます。海の日を満喫できる一押しのスポットです。
名前や日付が変わった海の日の中の変わらない想い
海の日が変わった理由と、その由来、そして海の日にちなんだお出かけスポットをみてきました。
海の日が祝日に制定されてからおよそ30年。
他の祝日に比べると比較的新しい祝日ですが、名前が変わるところから始まり、日付も幾度となく変わってきました。
そんな海の日の由来を紐解くと、見えてきたのは海洋国日本を誇りにする「変わらない想い」。改めて歴史を知ると、海の日がこれまでと少し違って見えてきませんか?
もうすぐやってくる三連休。今年は日本と海のつながりを感じる、海の日ならではの場所で過ごしてみてはいかがでしょうか?